終了しました

平成29年(2017年)のウィズせっつカレッジは、「子どもたちの笑顔が輝くまちづくり」をテーマに6月18日~11月10日まで全10回開講しました。

なお、第1講目は男女共同参画セミナーを兼ねて開催しましたので、下記のページでご紹介しています。

 

男女共同参画セミナー/ウィズせっつカレッジ2017入学記念講演
誰もが輝く明日のために
~世界の女の子、日本の女の子~ 報告

 

ウィズせっつカレッジ2017

2講目 「子どもの権利」ってなんだろう?

 

子どもにはチカラがあります。ただここに「ある」ことのチカラを大人たちはどうすれば支援できるのでしょうか。
それには、気持ちを聴いてくれる大人や仲間との出会い、安心できる居場所の確保、子どもの権利を支援するシステム(国際レベル、国レベルの法律など)といった条件が必要です。
子どもの権利条約は、世界中の子どもの声を集めて、子ども達の共通の願いは何かと話し合い、まとめられた人権章典であり、子育て支援、子ども支援を推進する根拠となるものです。ワークと講義で条約の基本的な考え方を学びました。

受講生の感想より
・はじめて知ることばかりでした。大変勉強になりました。生きる権利、育つ権利、守る権利、聞いてもらう権利 意識したいです。
・子どものことを思って…よかれと思って…本当に考えさせられました。「子どもの話を聞く」あたりまえのことがおろそかになっていました。私には娘が2人いますが、私の分身でなく、個々の尊厳を大事にすること、これが一番大切なんだと思いました。ありがとうございました。
・改めて知ることが多く、子どもの最善の利益の原則の話がよく理解できました。
・すごく分かりやすく楽しく聞けました。あたりまえと思ってたことの、深い意味を考えるヒントをいただきました。

 

日時 平成29年6月23日(金)午前10時~12時
講師 浜田進士(子どもの権利条約総合研究所関西事務所所長)

3講目 子どもをエンパワーする大人になる

 

子どもは身近な大人から影響を受けながら育ちます。子どもに対して大人は力を持つ存在です。その力を適切に使えば子どもの健やかな成長を支えますが、力を濫用すれば虐待・体罰となり、子どもの力を奪ってしまう(ディスパワー)ことになります。特にジェンダーについての思い込みや性役割などの価値観の押しつけは、ありのままの子どもを認めないディスパワメントと言えます。子どもをエンパワーできる大人になる第1歩として、自分の中のジェンダー規範に気づく大切さを学びました。

受講生の感想より
・ジェンダーのことがよくわかりました。自分や周りの子ども達にエンパワーできる大人になりたいです。
・子育てするときに無意識に男の子らしさを求めている自分を改めて気付きました。ジェンダー規範は一見もっともらしい事を示されて反論しにくいですが、一つ一つ敏感にならなくてはと思いました。
・わかっていたつもりのジェンダーが…自分でも気付いていた、ぬけられないジェンダーのしがらみをはっきり意識して理解しました。そうとうジェンダーがしみこんでいる自分です。
・日本の基本になって定着してしまっている男らしさ、女らしさ。生きやすい、充実した人生を送れるようにするにはただの足かせにすぎないと再確認しました。言い方は好きではありませんが、女らしい男の子、男らしい女の子、素敵です。本人が輝いていることが何よりも大切で、それを手助けできる大人になりたいと思います。

 

日時 平成29年7月7日(金)午前10時~12時
講師 遠矢家永子(NPO法人SEAN GCR総括責任者)

4講目 子どもと大人がともに育ちあう地域

(公開講座)

 

 

地域の全ての子どもたちが心豊かに育つ環境を...と活動する中で見えてきた「子どもの貧困」。

しかし子どもたちは自分が困っていることをなかなか語ろうとはしません。むしろ必死に隠そうとします。貧困によって、本来持つべき権利(安心、安全、自由など)を奪われた子ども達を支援するためには「当たり前」を埋め直していく活動が必要です。例えばごく少人数で食卓を囲むといった場があり、安全・安心が確保されてやっと、子ども達は心のもやもやを口にすることができるかもしれません。

貧困に限らず見えてきた問題に対処するだけでなく、問題を生み出さないための対策を立てるためには社会のシステムを変えていかなければなりません。そのために、まずは少しでも子どもの周りの環境を変えることです。そこから、未来を子ども達とともに描きなおすことができるのではないでしょうか。

受講生の感想より
・見えない貧困に対するアプローチがなかなか難しいなと思います。出会わないところに対して支援もできない。どのような場をつくってアクセスしていけばいいのか。出来る範囲の活動をするというところがいいと思った。
・「今」を丁寧に生き直す
摂津の子どもたちも豊かに育ってほしいです。
・“貧困”と一言で言うとお金の問題というイメージでしたが、それだけではないなと思いました。お金がない、足りないというところから広がっていき、最終自殺などにつながる…。目につく人、子はいいが、その少し上にいる目立ちにくい人にはどう気付き、手を差しのべられるのか…。考えさせられます。
・“特別な活動をしようとするのではなく在り続ける活動”を心がけておられるという言葉が印象に残った。

 

日時 平成29年7月21日(金)午前10時~12時
講師 村井琢哉(山科醍醐こどものひろば理事長)

5講目 貧困の連鎖を断つ教育

 

子どもの貧困率は13.9%、ひとり親家庭の貧困率は50.8%です。(厚生労働省発表)
経済大国の日本でなぜ子どもが貧困に陥るのでしょうか。
日本の貧困の特徴として、「働いているのに貧困」「男女の賃金格差の大きさ」
「ひとり親家庭の貧困率の高さ」の3点が挙げられます。
日本の子どもの貧困は女性の貧困問題と直結しています。
「反貧困」の観点に立った(子どもの貧困を人権の問題としてとらえる観点に立った)キャリア教育の必要性、自己肯定感(self-esteem)、自己効力感(self-efficacy)を取り戻す取組、地域や行政との連携等々の必要性をお話しいただきました。

受講生の感想より
・私は今、2歳の男の子を育ててますが、私もパートへ行き、育てるのに必死です。私もいずれ貧困になるかもしれない。貧困はもう考えずには生活できない問題ですね…。
・我が家はひとり親家庭で子どもが3人います(中3・2人、小6・1人)。本当にキビシイ… 絶対に貧困の連鎖だけは避けたいが、教育費の高さにくじけそうになります…
・貧困の連鎖を断つためのキャリア教育の実践は、直に日々の生活に繋がるもので、子どもたちにとってとても大切な取り組みだと感動した。「肌着1枚着せて出す」という言葉やAさんの事例が心に残った。
・自らが公立高校で経験されたことから子どもの貧困の連鎖を断つ教育の大切さを本当にわかりやすくお話しされ、ホンマに納得しました!
・肌に感じる事はなんとなくありましたが、これ程とは思いませんでした。地域でつながり何かを…と考えさせられました。

 

日時 平成29年9月1日(金)午前10時~12時
講師 前比呂子(追手門学院大学教授)

6講目 暮らしの感性を磨く教育
~家庭科を学ぶ意味~

 

家庭科といえば調理実習?お裁縫? いいえ、それだけではありません。実は“生きる力”をつけるための教科、生き方を学ぶ教科なのです。大切なことは自分自身を見つめること、他者の価値観に触れることです。
生活力(=経済力だけでなく、日常生活をこなす能力)をつけると自信がつきます。また、他者に学び多様な価値観があることを知れば選択肢を増やせます。一つのことでつまづいても人生終わりじゃない!と立ち直ることができます。自分も他人も尊重しながら助け合って生きることもできます。
人生をより豊かにするための、楽しい家庭科の時間でした。

 

受講生の感想より
・家庭科の奥深さを知りました。自分の大切にしているものを考えること、人と語り合うこと、また、してみたいです。ありがとうございました。
・一番最初にやった「私の一番大切なもの」のワークがおもしろかったです。自分を見つめ直す事もできたし、いろんな意見も聞けておもしろかったです。介護や高齢者のお話もあり、シニア世代に入ってきたので大変興味ありました。もっと聞きたかったです。
・家庭科というのは、料理や裁縫する事だと思ってましたが、生活=家庭科で子どもでも大人でも成長していくのには自信が大事でたくさんの人と話して複眼的視点で考えていくのが大事だと思いました。これからの生き方を教えて頂いたような気持でした。
・多様性がこんなに大切なものとは思わなかった。分かってはいたが、捉え方次第で物事は全然違って見えてくることを具合的事例に即して講演されたので納得だった。

 

日時 平成29年9月15日(金)午前10時~12時
講師 南野忠晴(元大阪府立高校家庭科教員)

7講目 誰もがありのままで生きるために
じぶん、まる!
~性ってだれかに決められるもの?~

 

あの人は女かな?男かな? 私たちは何を持ってそう判断しているのでしょう?男か女かに分けないと落ち着かない?それはなぜなのでしょう?
一般に性別は生まれたときの性器の形を見て決められますが、実は、セクシュアリティ(性のありかた)には生物学的性、性自認、性表現、性的指向の4つの要素があります。セクシャリティは、その人自身のものであり、他の人が決めることではありません。LBGTという言葉は最近普及してきましたが、これは全てのセクシュアルマイノリティを意味する言葉ではありません。またセクシャリティは、少数者だけのものではなく、全ての人が持つものです。そこで、性自認、性的指向を意味するSOGI(Sexual Orientation, Gender Identity)という概念が使われるようになってきました。
男か女かの二分法ではなく、様々な性のあり方をありのまま認めることは、全ての人を尊重できる社会の実現につながるでしょう。

 

受講生の感想より
・当事者の方の話がきけてよかった。子どもとの接し方についてもとても参考になる点が多いと気づくことができた。
・子どもたちの感想文に感動しました。子どもの学校でも授業があればなと思いました。また、身近な大人からの影響が大きい、小さい頃からの環境が大事であるのがよくわかりました。絵本もとても素晴らしいです!
他の人と話し合ったことのないテーマでした。夫とも話し合ってみたいと思います。
・違いを認める教育は、いじめ問題にも共通して大切なこと、この課題は紙芝居の制作に活かしていきたいと思います。他の子とくらべて、子育てがつらい人にも、なにか今日の話から伝えられる部分を私なりに考えていきたいです。
・性の多様について、SOGIの事を今まであやふやだったのがよくわかりました。ひとりでない、おかしい人はひとりもいない、この言葉と共に今日の話を伝えたいと思いました。

 

日時 平成29年9月29日(金)午前10時~12時
講師 田中一歩、近藤孝子(にじいろi-Ruスタッフ)

8講目 子どもたちの安心・安全のために
~ポルノ、性暴力から子どもを守る~

 

1997年に子育て支援の活動から出発したNPO法人SEANは、2015年からポルノ被害(AV出演強要など)の相談活動もしています。
近年、暴力的なアダルトビデオや子どもを対象にした着エロ(着衣のエロ)が氾濫し、子どもが被害に遭う事件も増えています。社会的な経験や知識に乏しい子どもたちを標的にする悪辣な業者に怒りをおぼえます。
また、コンビニでは小学生の目にも入るような場所にポルノが堂々と置かれています。女性が性的に扱われることが当たり前になっている環境では、性被害にも気づきにくくなり、社会的にも被害を容認しがちになります。このような環境を変えると共に、被害者への支援と、ジェンダーに敏感になり人権力を高める予防教育も必要です。

受講生の感想より
・ヘビーな内容でしたが「知る」という行動をおこさないと現状を把握できないなーと思いました。
・耳をふさぎたくなるような話。でも現実。決して対岸の火事ではないし、他人事にしてはいけない。
・いかにポルノ被害にあう子が多いか、その支援の体制がととのっていないかわかった。
・TV、新聞等では知っていはいたが、自分とは関係ない遠い世界の話と思っていた。今はネット社会なので被害にあうと使用され続け脅迫やいやがらせを受ける。救済手段を拡充させることが必要だと思った。日本では、だまされる子が悪いという自己責任論が強く、私もそう思っている部分が大きいが、被害者は悪くないという言葉が心に残った。
・被害の予防は人権力を高めること。メディアリテラシーの教育が必要。

 

日時 平成29年10月13日(金)午前10時~12時
講師 遠矢家永子(NPO法人SEAN GCR総括責任者)

9講目 子どもの笑顔が輝く摂津の未来をつくる

 

これまでの講座をふり返って、どのテーマ、内容が自分の中に残っているかと話し合いました。そして、貧困、性・教育、子どもの権利(人権)・ジェンダー…などのキーワードが上がりました。それを出発点にグループに分かれて、①必要だけどないもの→②こんな支援があればいいな→③そのために私たちにできることはなんだろうと考えました。

 

受講生の感想より
・問題点いろいろ出されたけれど、解決に向けて、となるとなかなか難しい…となった。でも、少しずつでも変えていけることあるのかも、とも思えるような話し合いになったと思います。今、いろんなことが多様化している現代に子どもたちを笑顔で育てていくために、やはり大人が真剣に考えていく…大人が真剣に考えるためには…?
・私の班のテーマは「(性)教育」です。正直答えがでなかったですが、教育の場、環境どうしたらいいか考えさせられました。
・子どもにとって必要だけど、まだない支援を考えることで今まで受け身だった姿勢が何かアクションを起こせるかも?と考えられるきっかけとなった。
・「一人一人が社会資源なのです」は心に残りました。

 

日時 平成29年10月20日(金)午前10時~12時
講師 遠矢家永子(NPO法人SEAN GCR総括責任者)

10講目 卒業式

 

摂津の子どもたちのために自分達は大人として何ができるだろうかと受講生みんなで頭を絞った成果を発表しました。


●子どもは地域のみんなで育てる
非正規雇用や一人親家庭など様々な理由で親たちも大変な中、子どもたちは思い切り遊ぶ場もない。人とのつながりも希薄になっている。気楽にいつでもおいでと迎え入れ、様々な人との出会いがある場があるといい。子ども食堂や山科醍醐こどものひろばのような場をつくりたい。


笑顔を生み出す教育
生きる力(自己決定力)をつける教育を受けるチャンスが子どもには必要。そのためには、親以外の大人、ロールモデルになるような大人と出会う場があるといい。インターネットの普及で、SNSを通じた性被害も増えている。本当の性教育(命を大切にする)や子どもたちが自分の権利について知るような教育、多様な人と出会うためのコミュニケーション力をつける教育が必要だ。


子どもたちが安心して「人権、ジェンダー」について話し合える場をつくる
子どもの権利の中でも、意見表明権を保障することが必要。子どもが安心してありのままの自分でいられるためには、子どもの気持ちによりそって子どもの意見を聴ける大人がいる。ファシリテーター養成講座などもできればいい。家庭、地域、学校の連携が必要だ。


どの内容も関連しあっています。ぜひこれから、地域の活動の中での実現していきましょう。

 

受講生の感想より
・多くのステキな講師、受講生と出会えてとても楽しかったです。毎回多くの「気づき」と「刺激」をありがとうございました。受講できてほんとうによかったです。
・幅広い講座内容で、子どものことを深く考えることができた。子どもだけでなく、自分自身のことにもおきかえ、考えられた。
・今回とても充実して勉強させていただきました。きびしい話もあり、自分のための話もありで、とても勉強になりました。

 

日時 平成29年11月10日(金)午前10時~12時