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ウィズせっつカレッジ2014

~からだとこころが軽くなる女性学講座~

 

男女共同参画セミナー/ウィズせっつカレッジ2014入学記念講演
スポーツから考える男女共同参画

 

2講目 女性の健康 世界と日本

国連女性開発基金(ユニフェム、現国連ウィメン)やNGOなどで女性の自立やエンパワメントを支援する活動や調査研究をしてこられた三輪敦子さんのお話を聞きました。
三輪さんはインドのあるNGOの活動を紹介されました。農村女性の劣悪な健康状態を改善するために始められた活動を展開する中で、女性たちは健康の問題が女性の権利や自尊感情、女性に対する暴力の問題などに深くつながっていることに気づきます。
ひるがえって日本を見ると男女とも平均寿命は高く、妊産婦死亡率や乳児死亡率は低く、日本は健康に関する指標が高い国の一つと言えます。ではインドの女性の話は遠い国のことでしょうか?日本の女性はほんとうに自分のからだを大切にできているのでしょうか?日本は先進国で唯一HIV/エイズの感染者数が増加しています。また女性に対する暴力や、望まない妊娠、中絶の問題なども深刻です。
インドと日本、おかれた環境の違いはあっても「自分のからだを大切にすること」は自分自身を大切にすることの出発点です。

 

受講生の感想より

・「健康」の文字に魅かれて申し込みました。違う視点から「健康」を考えることができ、あらためて自分を大切にしたいと思います。
・健康ということを狭い感じでとらえていたが、もっと広い範囲、世界中で考えることを勉強したいと思った。
・世界の中で、日本が105位というジェンダーギャップ指数!しかも下降の傾向という…日本の環境にどんな問題があるのか?考えていきたい。
日時 平成26年6月27日(金)午前10時~12時
講師 三輪敦子((公財)世界人権問題研究センター研究員)

3講目 やる気!元気!で健康づくり

3講目は市保健福祉課の保健師さんから健康づくりについて聞きました。
摂津市では健康づくりのアイデアを満載した冊子「健康せっつ21」を発行しています。日本人(大阪府民、摂津市民も)の死因は多い順から、がん、心疾患、脳血管疾患です。また大阪府内において摂津市には高血圧の方が非常に多いのですが、塩分や野菜の取り方などの食生活や運動習慣などを含めた生活習慣を見直すことが健康づくりにつながります。
実は、うつや認知症も脳の血流と関係しており、生活習慣病として考えることができます。

健康づくりには、毎日ウォーキングをしたり、健康診断を受けたり、休肝日を持つといった個人レベルでできることの他に、集団レベルでできることがあります。摂津市では運動や食育を通じた市民の健康づくりのグループを応援しています。個人個人の健康づくりが周囲の人々や地域に波及していくことがあります。逆に一人では続かないことも仲間がいると続けられる、ということもあるでしょう。仲間と力を合わせることによって地域の健康、摂津市全体の健康に変化を生みだすことができるかもしれません。

 

受講生の感想より


・健康づくりに対する意識が、個人レベル→地域レベルと広がるという新しい観点を持つことができた。
・受講者の方々から健康にまつわる情報をいろいろ聞けてよかったです。(私はまだまだ自分の健康をあとまわしにしていることに気づきました)
・楽しくわかりやすくてよかったです。血管の話、ビジュアルも印象的でした。生活習慣の見直しに役に立てます。皆さんの健康への関心が高いことが改めてわかりました。

日時 平成26年7月4日(金)午前10時~12時
講師 摂津市保健福祉課職員

4講目 私の心と上手につきあうために

 

 

4講目は、女性の抱えやすいストレスについての講義とワークでした。
例えば夫から「誰に食わせてもらってると思ってるんだ」「お前なんか何をしてもだめだ」など否定的な言葉をしょっちゅう言われたり、社会の中で「女性はこうあるべき」といったメッセージを受け続けていると、知らず知らずのうちにその価値観を受け入れ、自分で自分を縛ってしまうことがあります。
よい娘、よい妻、よい母であろうとして、一生懸命役割を果たそうとしても、他者からの要求というのは様々で中には矛盾しているものもあります。すべてを完璧にこなすことはできませんし、個人の努力だけではどうにもならない社会の問題もあります。
自分の努力が足りないとか自分が悪いと思い、がんばり過ぎてストレスをためてしまうと、不眠、イライラ、食欲不振、頭痛や腰痛…その他様々な症状が出ることもあります。それらは、からだが「このままではやっていけない!」というSOSのサインを出しているのです。まず自分自身の気持ちに気づき、大切にすることから始めましょう。
私はこれが好き/きらい、これは得意だ/苦手だ、今これをしたい/したくない…些細なことと思われるかもしれませんが、他人にどう思われるかではなく、自分はこうだというのを大切にすることが「境界線をひく」ということです。境界線をひくことが、自分も相手も大切にする関係を作る基本です。

 

受講生の感想より

 

・自分の心と体と向き合おうと思います。境界線についても考えてみます。
・よい話がたくさんあって勇気づけられました。同じような思いを持つ人が多かった。苦しんでいるのは自分だけじゃなかったんだって楽になれました。
・グループでいろいろな経験や意見を聞くことができ、よかったです。
・自分を守るための境界線、あらためて参考になった。

 

日時 平成26年7月18日(金)午前10時~12時
講師 周藤由美子
(ウィメンズカウンセリング京都・フェミニストカウンセラー)

 

5講目 女の子は体育が苦手?

 

5講目のテーマは、スポーツとジェンダーでした。古代にさかのぼれば元々は男らしさを競うものであったスポーツの歴史やスポーツ組織の男女共同参画の現状、学校体育とジェンダーの関係など、幅広く深い内容を学びました。
一般に女性は男性よりも体力が劣っていると言われます。確かに、体力テストの平均値やスポーツの世界記録などを見ると、女性よりも男性が優れています。しかし、本当に女性は体力が劣っているのでしょうか。
学校の体力テストが測っているのは、走ったり跳んだりボールを投げたりといったスポーツに関するもので、体力のほんの一部です。健康に生活するための体力は、実はいろいろな要素があって測るのが難しいものです。平均寿命は女性の方が上ですし、持久的な体力は女性の方が上かもしれません。
多くのスポーツは、筋力が強く脂肪が少ない男性の方が脂肪のつきやすい女性よりも有利です。しかし、全ての男性が全ての女性よりも体格、運動能力が優れているわけではなく、性差よりも個人差の方が大きいと言えます。
多くの女性が体力がなくスポーツに向いていないとされてきたのは、実は文化や教育によって作られた思い込みだったのではないでしょうか。また、勝ち負けや点数を競うだけのスポーツではなく、身体を使う楽しさ、心地よさを私たちは見つけていけるかもしれません。

 

受講生の感想より


・スポーツを通して改めて男女差を考える機会になりとても感銘を受けました。
・スポーツに苦手意識があったので、深く考えることも知る機会もなかったのですが、とても興味深い内容でした。
・体育、スポーツを通じてジェンダーを考えることができた。

 

日時 平成26年9月5日(金)午前10時~12時
講師 井谷惠子(京都教育大学教育学部教授)

6講目 私の力を引き出す考え方

 

6講目では、女性が自信を持って活動していくために大切な、自己尊重と自己主張について学びました。
自己尊重とは、ありのままの自分を受け入れて自分を大切な存在だと思えるということです。しかし「女らしく」という規範が強い社会では、女性は「そのままでいい」というメッセージを受けられない状況があります。自分に自信が持てないと自己主張ができず、自分の意見や気持ちを言わないでいると、自分の気持ちすら分からなくなることもあります。するとますます自分に自信が持てなくなっていきます。この悪循環を断ち切るためには、まず自己主張してみる、つまり行動を変えてみることです。
自己主張とは、攻撃的に相手を言い負かしたり、自分の思い通りに相手を動かしたりすることではありません。自分の気持ちや考えを率直に、適切に表現することです。
自己主張するのが難しくなる考え方の一つに「他者優先」があります。「こんなことを言ったら相手が気を悪くするのではないか」と相手の気持ちを優先してしまうことです。また、「説得したいけど説明の仕方がわからない」とか「自分の意見は大したことがない」などと思うと、自己主張は難しく感じられます。
これに対して「心の基本的権利」という考え方があります。
例えば「わたしには、他の人の期待にこたえない権利があります」と自分に言ってみるとどうでしょうか。これは、4講目でも紹介した「自分を大切にするために境界線をひく」ということです。私の考えを聞いて相手はがっかりするかもしれないけれど、私の気持ちは私のもの、相手の気持ちは相手のものなのです。
「ありのままに感じる」「できない、わからないと言っていい」「他の人の悩みや不機嫌を自分の責任にしなくていい」「誰かに助けを求める」など、様々な心の基本的権利が自分にはあるのだと思うと、自己主張がしやすくなるでしょう。

日頃、家族や周囲の人などに言いたいけれど言えないことはどんなことか。言いたいことを「I(アイ)メッセージ」(『私は…』を主語にして話す)で言い換えるとどうなるか?グループで話し合いながら、考えました。

 

受講生の感想より


・自己主張を上手にするのはとても難しいですが、ポイントをつかめるとできるようになるのかな?
・心の基本的権利はどれもうなずくものでした。全ての権利を全面に出すと対人関係がトラブルが多くなるかもしれませんが、心の中にそのような考えがあるだけでも楽になり相手への接し方も変わるかなと思いました。
・Iメッセージに言いかえてみようと思います。

 

日時 平成26年9月19日(金)午前10時~12時
講師 周藤由美子
(ウィメンズカウンセリング京都・フェミニストカウンセラー)

7講目 笑いヨガ体験 からだもこころも絶好調!

「笑いが健康によい」というのはよく聞きます。しかし、毎日忙しかったり、悩みがあったりすると、そうそう笑ってばかりもいられないですよね。
ラフターヨガ(笑いヨガ)は笑いとヨガの呼吸法を組み合わせたエクササイズです。最初は作り笑いでよいので、とにかく笑うことから始めます。不思議なことに、みんなで笑っているうちになんだか楽しくなってきて、本当に笑ってしまいます。
笑うと横隔膜が動き、血流がよくなり、酸素が全身にめぐります。また、リンパ液の流れもよくなります。その結果、脳が活性化し、ストレスが軽減されます。
田所メアリーさんのユーモラスで優しい説明にリードされて、試しにやってみると終わる頃には皆、汗をかきながら本当によく笑っていました。

 

受講生の感想より


・笑いが身体に良いことを実感しました。とても楽しい時間でした。皆に広めていきたいと思いました。
・気持ちが軽くなって楽になりました。みんなに教えてあげたい、そしてみんなで笑いたいです。ありがとうございました~♪
・初めは雰囲気にのれるか不安でしたが、次第に楽しく入り込んでいました。家で子どもと一緒にやってみたいです。頭に酸素がまわったような感じがあります。

日時 平成26年10月3日(金)午前10時~12時
講師 田所メアリー(NPO法人ラフターヨガジャパン代表)

8講目 みんなでつくろう!健康計画(1)

8講目と9講目では今まで学んできたことを基に自分たちで何ができるかを考えます。
6月から一緒に学んできた仲間ですが、改めて自己紹介し合い、お互いについて知りあうワークをしました。そして次に、からだや心が重くなること(=解決したい問題)は何だろう、と一人ひとりが日頃感じていることを付箋紙に書いてホワイトボードに貼ってみました。すると「子育て」「高齢者」「コミュニケーション」などのキーワードが浮かび上がってきました。
受講生はこれらのキーワードから自分が取り組みたいテーマを選んで3つのグループに分かれました。11月14日の卒業発表に向けて、いよいよ企画作りです。

 

受講生の感想より


・いっきに皆さんと知り合いになれました。色んな意見が聞けそうでチーム作業が楽しみです。
・今日はグループに分かれたりして親密な関係ができ嬉しかった。
・具体的な問題を気づかせてもらえ、楽しかった。
・自分たちのできることを考えて行動に移すことができそうです。

 

日時 平成26年10月17日(金)午前10時~12時
講師

松永致和(市民活動コーディネーター)

9講目 みんなでつくろう!健康計画(2)

 

「企画作り」と言っても身構えることはありません。例えば料理なども企画です。企画書のない企画を私たちは日々やっています。最初は小さな企画でも、確実に実施していくと規模の大きなこともできるようになります。
企画は動機とプロセスが大切です。この日は動機の部分、何をしたいかを明確にするためのグループの話し合いに重点を置きました。
前回決めたグループに分かれて何をやりたいか話し合うと、短い時間のうちに驚くほどいろいろなアイデアが出ました。最後に卒業発表のリハーサルも兼ねて、各グループで話し合った内容を発表しました。最終回まであと2週間、各グループで企画を仕上げていきます。

 

受講生の感想より
・企画から実行と順序立てて教えていただき、楽しかった。
・結果に結び付けていく過程を学んでよかったです。思考の原点にふれてありがたいです。
・プレゼンテーションのポイントを教示してもらえたのがよかった。

 

日時 平成26年10月31日(金)午前10時~12時
講師 松永致和(市民活動コーディネーター)

10講目 卒業式

  

最終講では、3つのグループが作った健康計画を発表しました。


 
1.ひまわり会(笑顔で明るく)
このグループは、コミュニケーションをテーマに発表をしました。コミュニケーションの基本は?と考えると、笑顔やあいさつが大切だという意見が多数出ました。また、講座の中で笑いの健康効果についても学びました。「笑いヨガ」体験では講師の田所メアリーさんの笑顔が印象的でした。笑顔とあいさつを通して明るい社会になればとの思いを込めて、笑いヨガを摂津で広げていこうということになりました。「笑い」をきっかけに人のつながりを作っていけるといいですね。


2.いきいき元気で年を重ねよう
このグループは、高齢者をテーマに選び、いつまでも健康でいたいという願いをグループ名に込めました。高齢者の健康と言えば、認知症が気になります。認知症予防のために何が効果的かと考えた時、おでかけ、おしゃべり、料理、買い物、犬猫や花の世話、身体を動かすことなど、いろいろな意見が出ました。学びの中で、摂津にはウォーキングコースが4ヵ所あり、そのコースの中には自然や史跡などさまざまな見どころがあることを知りました。そこでウォーキング隊結成ということになりました。仲間とおしゃべりしながら摂津の町を歩くことによって、新たな人や町を発見し、新しいつながりを作ることができるでしょう。


3.たけのこの未来
子育てをテーマにしたこのグループでは、母親が孤立せず笑顔になれるような企画をと考え、摂津市鳥飼地区のふるさと公園を会場にしてピクニックを計画しています。具体的にはこれからですが、着なくなったけれど思い入れや愛着のある子ども服の交換会をしたい、料理はシニア男性のグループにお願いしようか、などと多様な人が参加できるピクニックを構想中です。

 

摂津という町で、心身ともに健康に生きていくには、個人レベルの努力だけでなく、人とのつながりが不可欠です。どの企画にもその思いが込められていました。
発表の後、17名の受講生に卒業証書が手渡されました。今回の計画をぜひ実現できるよう、卒業生の皆さんのリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

 

受講生の感想より
・多くの人との出会い、参加型のセミナーなどで自分を問いかけることができました。最後の「みんなでつくろう!健康計画」は大変役に立つと思います。どこでもこれがあればOK。ありがとうございました。
・初めて参加させていただき、たくさんの友人知人ができてうれしかったです。色々な知識を得てこれから実行していきたいです。
・企画作りは大変だけど楽しい。産みの苦しみもOK!!子育て世代との交流がとてもうれしかったです。今回の企画が実現できるといいな。

 

日時 平成26年11月14日(金)午前10時~12時